定期的に日本の住宅の歴史と現代への移り変わりについて載せていきたいと思います。
第3回目は、門についてです。
~門の歴史について~
門は古く奈良時代の「古事記」にも登場しますが、当時は、家の周囲の垣に
設けた、門柱のみ、あるいは鳥居のような形の出入り口だったと思わます。
やがて、寺社や貴族の館には権威の象徴として門が発達し、戦国時代には、
外敵の侵入を防ぐ自衛装置として、城や武家屋敷などに設けられました。江
戸時代に入ると、武家の地位によって形や大きさが定められるほどの門の格
式が重視され、明治時代には庶民の住まいに門が許されるようになりました。
~現代の門について~
現代住宅の門は、丈の低い、明るく開放的な造りが好まれます。多くの場合、
敷地にゆとりがなく、門前のスペースをとるのが難しいことに加え住宅の洋風
化が、その大きな理由です。しかし和風住宅については、建物のバランスか
ら、屋根の庇(ひさし)、横木のある門を造る例もまだ多く、家に落ち着きや風
格を与えています。
また、現代の門には、表札、郵便受け、防犯上のインターホンや常夜灯など
の付属設備、車の出入りへの配線も必要とされています。