定期的に日本の住宅の歴史や現代の移り変わりにつけて載せていきたいと思います。
第2回目は、屋根についてです。
~屋根の歴史について~
雨風をしのぎ直射日光を遮るために屋根を設けたのが住まいの起源で、日本各地に、気象条件に合わせて
さまざまな屋根がうまれました。
その原型といわれる基本的な形が伊勢神宮に見られる)切妻(きりずま)と言われます。
切妻より重厚に寄棟(よせむね)があり、この二つが融合したものをが入母屋(いりもや)となります。
入母屋は、寺社などに用いられる日本独特の美しい屋根です。
屋根葺き材は、古くは、茅(かや)、檜皮(ひわた)、杮(こけら)などでしたが、やがて大陸から伝わってきた
瓦が、寺院などに用いられるようになってきました。
~屋根の現代について~
屋根の形態で外観が左右されるのが、和風住宅の特徴といえます。マスプロ化した建築の普及とともに、
豊かな表情のある美しい屋根が減り、近年の鉄筋コンクリート住宅では、平らな陸屋根も用いられます。
しかし、傾斜を持つ屋根は日本の気候風土に培われた形であり、現代的にアレンジしつつ、伝統の屋根を
受け継いで行きたいものです。
いま、人気のある数奇屋住宅の屋根は、勾配が緩く、横への広がりがある洗練されたデザインをみせて
くれます。