日本の住宅について。その4!

  定期的に日本の住宅の歴史と現代への移り変わりについて、載せていきたいと思います。

第4回目は、軒(のき)です。

   

 

~軒の歴史について~

 

 軒は、屋根が建物の外壁より外側に延びた部分を指します。日本最古の木造建築である法隆寺金堂にもみられる深い桁は、寺社建築の特徴で日本独自の建築様式となっています。桁は屋根の最上部の棟から軒桁へと支えられる垂木によって支えられています。

平安時代、鎌倉時代と時代が進むにつれて、軒先に反りが加わるなど技術の発達によって美しい屋根の曲線がうまれました。また、建物に広い縁ができると、縁を覆う深い桁が造られるようになりました。

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~現代の軒について~

 

 雨が多く、夏の日差しが強い日本では、和風建築の特徴である深い桁が、外壁や床、建具を風雨から守り、夏は日差しを防ぎ、冬は陽光を室内に取り入れる役割を果たしています。近年、建築基準法の防火規定により、隣家との距離が十分に取れなければ木材を露出した仕上げができないことや、洋風のデザインが増えたことで深い軒を持つ

住宅がみられなくなってきました。和風建築の美を作り出す軒の姿を、ぜひ残していきたいものです。